私達が使うタオルの製造工程には、大きく分けて二つの技法があります。一つは「後晒し後染め」、もう一つは「先晒し先染め」というものです。

 

●後晒し後染め

原糸を先に織り(生地にして)、織り終わった生地を晒して染める技法です。紡績により、原材料の綿花を紡いで綿糸にした後、糸を撚り、糊付けをして織って生地にします(製織)。その後に、糊を抜いて晒して白くしておきます。こうすることで、次の染色工程で生地が染まりやすくなるのです。染色後には、縫製や刺繍などの二次加工を施し、検品をして出荷します。

ポイント
織った後に晒して染めるので、「後晒し後染め」

 

●先晒し先染め

生地を織る前に原糸を晒し染めておき、染め終わった糸を織る技法です。紡績して糸を撚るまでは同じですが、こちらは糸の状態で晒しを行い染色し、織りやすいように糊付けを行います。生地になった後に糊を抜き、縫製や刺繍などの二次加工を施し、検品をして出荷します。

ポイント
織る前に晒して染めるので、「先晒し先染め」

 

●先晒し後染め

生地を織る前に原糸を晒すのは、先晒し先染めと同じですが、こちらは、晒した後に染色を行わず、糊付けを行います。生地を織って糊抜きをした後に染色を行い、二次加工と検品をして出荷します

ポイント
織る前に晒すけれど染めるのは後なので、「先晒し後染め」

 
今治産地では、主に「先晒し先染め」技法を採用していますが、タオルの種類(カラータオル等)によっては、先に晒した糸を織り上げてから染める「後染め」方式を採るものもあります。
ちなみに、ここで言う「晒し」とは、「精錬・漂白」のこと。「精錬」とは、繊維材料に含まれている不純物を除去することで、「漂白」とは、繊維に含まれている色素成分を分解除去することにより、白さを引き出すことです。

以下は、これらの工程を図にしたものです。

タオル屋さんなどの商品説明では、このような説明が書かれていることがよくあります。そんな時は、今回ご紹介したこの製造工程のことを思い出してみてくださいね。